人間の血液型といえば、A型、B型、O型、AB型の4種類ですよね。でもなんでA型、B型と来たら、次はC型じゃないんだよって思いませんか?(笑)
実はこの血液型の分類が発見された当時、その発見者はO型という名前ではなく、皆さんが思うように素直にC型と名付けていました。しかし、その後の別の研究者達による研究過程において、とある理由でC型がO型という名前に変わってしまったのです。
あくまで私の憶測ですが、今回のお話は皆さんのみならず、最初の発見者ですら思っていたことではないでしょうか(笑)つまり…
ということです。
では今回はそんな血液型について、そもそも血液型とは何なのか、なぜABC型ではなくABO型なのかの理由についてお話していきます!
血液型とは
血液型とは簡単に説明しちゃうと血球中の抗原の有無による分類の仕方なんですが、身近なA型、B型、O型、AB型という4種類はABO式血液型と呼ばれる分類方法で、実は他にもP式血液型とかXg式血液型とか数多くの分類方法があるんです。
要は、その血液型を分類する要素である抗原というものが、ものすごい種類があるので、分類をする基準も色々と作れるということです。A型とかB型という分け方はその分類方法の一つに過ぎません。
ABO式血液型とは
では今回のテーマであるA型、B型、O型、AB型で分類されるABO式血液型について説明します。
先ほど説明したように、血液型とは血球の抗原によって分類しているのですが、このABO式血液型は250種類以上ある赤血球の表面抗原のうちA抗原とB抗原の有無を基準として血液型を分類した分け方。
ABO式血液型と分類基準は以下の4種類
- A型…赤血球の表面にA抗原がある
- B型…赤血球の表面にB抗原がある
- O型…赤血球の表面にA抗原もB抗原もない
- AB型…赤血球の表面にA抗原もB抗原もある
ABO式血液型発見の歴史
この記事の冒頭で実はもともとO型はC型という名前だったというお話をしましたが、それについて説明していきます。ではこのABO式血液型が発表されるまでの歴史を見てみましょう。
1901年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナーという人によって血球と血清の凝集反応の有無によって3種類の血液型の分類が発表されました。その3種類を彼はA型、B型、C型(今のO型)と名付けました。
しかしその翌年、ウィーン大学のアルフレッド・フォン・デカステロとアドリアノ・シュテュルリによって、この3分類に属さない新たな4種類目の血液型(今のAB型)が発見されます。
その後も多くの研究者によってこの分類方法の研究がされ、最終的にA抗原があるものがA型、B抗原があるものが…という今の分類基準としてまとめられ発表されたのですが、その研究の過程でC型と呼ばれていたものがO型に変化したんです。
ABC型がABO型に変化した理由
ではなぜC型がO型に変化してしまったのか。
これには2つの説があるので、両方説明していきます。
一つ目は、C型はA抗原、B抗原ともに持たない血液型として分類されましたが、研究の過程でどちらの抗原も無いということを数字の0(ゼロ)と表現し、0(ゼロ)型と呼んでいました。この数字の0が文章などで色々な人々の目を行き来するうちにアルファベットのO(オー)と勘違いされてしまい、いつしかO(オー)型となってしまった説。
もう一つは、どちらの抗原も無いということから、C型をドイツ語の「ohne」(「~ない」などの意味)の頭文字であるOを使ってO型と表現していたためという説。
どちらの説が正しいのかはわかりませんが、もし前者が理由なのであれば、一言で言ってしまうと、勘違いってことになりますね(笑)
O型=C型である
まとめとしては、呼び方が途中で変わっただけで、O型=C型だったということですね。A型、B型と来て「なんでCじゃないんだよ!!」って皆さん思っているかもしれませんが、最初にこの分類を発表したラントシュタイナーさんから言わせれば、「いや、俺が聞きたいよ(笑)」って突っ込んでいるだろうということですね。